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---- 大蔵さんは50代目の木地師ということですが、木地師というのは?
舟橋 辰朗
Tatsuro Funahashi
大蔵 真
Makoto Okura
大蔵:

「木地師というのは、平安時代前期の皇子惟喬親王を祖と仰ぎ、日本全国の山の良材を使って、お盆やお椀などのろくろ細工を職業とする山の民の集団なんです。そういった集団が現在は全国に散らばっています。たまたま私の先祖は名古屋を拠点にしたということなんです。だから50代目の木地師というのは、私以外にも全国にたくさんいます。」

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現在、家業の大蔵製盆さんでは通常はどんなものを製作しているんですか?

大蔵:

「ろくろで天然木を削り出して作る給仕盆や茶盆、菓子鉢などを中心に作っています。今は簡単に作れる機械もありますが、ウチは昔ながらの道具と方法で、ひとつひとつ手づくりしています。」
舟橋: 「ろくろというのは手づくりの道具の中でも量産性の高いものなので、現在でも残っているんです。もちろん私のような素人がやるとグチャグチャになってしまいますけどね(笑)」
---- 舟橋さんはプロダクトデザインがご専門でいらっしゃいますね。
舟橋: 「そうなんですが、ライフワークとして木を使った商品のデザインも手掛けています。」

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大蔵さんは、今回のデザイナーさんとの共同製作でどんな印象を受けましたか? お盆

大蔵:

「今回のお盆はそれぞれに必ずと言っていいほど、私たちが通常の作業では絶対にやらないという部分がデザインに組み込まれているんですよ。例えば、お盆に脚を付けたり、サイドに凹みを入れたり…。」
---- 職人さん泣かせの部分が少しずつ入っているんですね。このようなデザインの発想はどこからきているんですか?
舟橋: 「私はカタチと機能がきちんとフィックスしているものでなければデザインとは言えないと考えていますから、まず第一に“持ちやすさ”を考慮しました。お盆は毎日使うもの。こういった普段使いの道具は特に機能が大事になってきます。さらに、本来お盆は丸くてとてもシンプルなカタチなので、どの部分で特徴を出すかが大切なんです。」

大蔵:

「私たち職人は常に勉強の連続ですが、今回は特に勉強というか苦労させてもらいました(笑)。」
舟橋: 「私は“作りやすさ”は考えませんから(笑)。また、『いかに現代の生活空間に溶け込むデザインにするか?』ということも大切です。例えば、色では漆のような黒と朱を入れたり、木を張り合わせることで木それぞれが持っている肌の色の違いを生かして一つの模様にしたり…基本は日本古来のお盆なんですが、少しヨーロッパ的なイメージも取り入れてみたんです。」

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お盆以外の使い方もできそうなデザインですよね。

舟橋:

「そうです。パーティートレーとしてオードブルを直接盛りつけたり、陶器の茶碗だけでなくワイングラスなどにもマッチすると思います。」

舟橋:

お手入れ方法は? 木の小物

大蔵:

「素材は天然木の“セン”を使用していますが、耐水性を高めるために表面にウレタン塗装を施してありますから、使用後は水拭きしても、水洗いして乾かしていただければ大丈夫ですよ。」

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今後、何か新しいものを製作される予定はありますか?

大蔵:

「盃などのお酒の道具、さらに様々な木を使った小物など、お盆以外のものにもどんどん挑戦していきたいと思います。」
---- ありがとうございました。
 
舟橋 辰朗(Tatsuro Funahashi):
1986年より(株)中部デザイン研究所の代表取締役を歴任後相談役、Gマーク審査委員、愛知県・三重県・石川県の技術アドバイザー及び名古屋市新事業支援センター専門家委員。名古屋芸術大学講師歴任後、愛知県立芸術大学講師でもある。
所属団体:(社)日本インダストリアルデザイナー協会/中部デザイン協会/協同組合愛知デザインユニオン
主な受賞:
1981年
松屋デザインフォラム銀賞
1994年
スロベニヤBIO-14展入賞
1998年
第25回国井喜太郎賞受賞 など
大蔵 真(Makoto Okura):
1963年10月27日生まれ。木地師の家系の50代目として、高校卒業後、祖父と父の指導を受けながら家業の大蔵製盆(名古屋市中川区)に従事。給仕盆、茶盆、菓子器などの伝統的なろくろ細工をメインに製作。伝統の技を取り入れた新しい作品づくりにも積極的に取り組んでいる。
 
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